vMixの公式ページで推奨スペックが書かれています。
どれだけの入力を扱いたいのか。動画サイズやfpsはなどにより異なってきます。ここでは、こんな感じで弊社のvMixシステムは組んでいますということで紹介させていただきます。
前提としまして、入力はFHDのSDI入力を4つ。FHDのHDMI入力を4つ。これを1080p(59.94p)で収録・配信することを想定しております。

公式リファレンスでは、X299 Motherboardとあります。2020年12月現在、主流はZ490系やB460系のマザーボードで、ゲームPCやクリエイティブPCなどで探すと、Z490系のマザーボードで組まれていることが多いです。しかし、このZ490系のマザーボードは、PCIe 3.0×16スロットが1つ。×4スロットが1つ。×1スロットが1つ。などという構成のものが多く、映像入力でキャプチャーカードを2枚挿そうと考えた場合に、PCIe 3.0×16スロットが足りません。

というのも、SDI入力を4つには、Blackmagic DesignのDeckLink 8K Pro。HDMI入力4つには、Blackmagic DesignのDeckLink Quad HDMI Recorderを使用したいと思うからです。このキャプチャーカードを導入するには、それぞれPCIe 3.0×8スロットのものが必要となります。

そのため、X299系のマザーボードですと、PCIe 3.0×16スロットが3本以上あるものが多く、欲しい構成にすることができます。ちなみに、PCIe 3.0×16スロットの1本は、グラフィックカードに使用されてしまいます。また、最新のグラフィックカードは厚さも厚いので注意が必要です。

さて、このX299系のマザーボードには、最新のインテル第10世代CPUを載せることができます。公式ページには「Intel Core i9 10900X or 9900X」とあります。現状比較的多く出ているのは、Intel Core i9 10900X やIntel Core i9 10920X 、Intel Core i9 10940X あたりでしょうか。それぞれコア数2つ・スレッド数が4つずつ増えていきます。Intel Core i9 10900X とIntel Core i9 10940X とでベンチマークは約20~30%ほどの性能差が出てきますが、弊社のPCはIntel Core i9 10900Xを使用しており、vMix使用時のCPU稼働率は15%程度になっていますので、十分な性能なのかなと思います。
同時での使用はお勧めしませんが、Adobe AfterEffectやPremierなどでの書き出しもされるのであれば、上位のCPUを選ぶことで書き出し速度は速くなります。

さて次にグラフィックボードです。公式には「Gigabyte GeForce RTX 2080 Ti Gaming OC 11GB」とあります。ただ、2020年12月現在では「RTX 30シリーズ」が発売されています。これを考えますと、「RTX 3080」を載せることでRTX 2080 Ti以上の性能となります。
このグラフィックボードですが、同じNVIDIA製でも「Quadro」というシリーズがあります。これは高機能で映像クリエイター向け!!とうたわれているのですが、ことvMixにおいてはGeForceシリーズを選択してください。これは、vMixには「DirectX」という処理技術が使用されており、GeForceはDirectXに最適化されているからです。逆にAdobe系のソフトは「OpenGL」という処理技術が使用されており、これにはQuadroが最適化されています。クリエイティブパソコンだとQuadroが搭載されたものが多いですね。もちろん「最適化」ですからどちらでも使用できないという事ではありません。

今度はメモリーです。メモリーにもそのスピードにより種類がありますが、上記X299系のマザーボードで使用されているメモリーということであれば、あとはどれくらいのGB積むかという比較でいいでしょう。公式では「32GB (4x8GB) 」とあります。このX299系は8枚のメモリーを積むことができます。32GBの上は64GBとなりますが、たぶん販売されているものは64GBを選ぶと16GB×4枚となるものがほとんどでしょう。8GB×8枚とはなっていないはずです。
ですが、実はメモリは16GB×4枚の64GBよりも8GB×8枚の64GBの方が、情報を早く処理できます。(この時、元の4枚と同じものが入手できれば最適ですが、最低でも4枚は同じものを揃えましょう)

この手のパソコンを購入する場合は、BTO(カスタマイズ可能な)パソコンショップでの購入になるかと思います。その時、CPUクーラーを選択できるかと思います。公式ではこのCPUクーラーを水冷にしておくことを奨めています。

最後にHDDです。まぁHDDということは無くSSDやNVMe M.2などになるでしょう。公式ではNVMe M.2の1TBを推奨しています。ただこれはあくまでもOSやアプリを載せる部分という事になります。映像データは大きくなりますから、1TBではすぐにいっぱいになってしまうでしょう。また、OSやアプリと、動画等の収録場所は別にしておくことをお勧めします。更に、保存しておく場所はまた別に用意しておきましょう。これはHDDで構いません。このようなデスクトップパソコンであれば、起動・ソフト用のNVMe M.2。動画収録用のSSD。保管用のHDD。の3つのドライブを積めるはずです。

パソコンの構成は以上のような感じになります。このタイプはパソコン工房、FRONTIER、MouseComputer、ツクモなどで探すことができます。パソコンは苦手。スペックなんてわからないという方。弊社にお任せください!と言いたいところなのですが、現場等で何かPCトラブルが起きたとき、どこら辺が怪しいなとか、ここが問題だろうなとか、パソコンをある程度理解していないと、トラブルシューティングができません。配信をハードウェアではなくてソフトウェアでおこなおうという場合、パソコン起因によるトラブルはいつでも起こりえます。ですので、パソコンは苦手。スペックなんてわからないという方は、素直にハードウェアでのスイッチング・配信をお勧めいたします。

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