NDIとAudio BUS

ZoomミーティングやWebex、Teamsを使用されている方も多いと思います。
例えば、複数のツールを縦断させて使うことは出来るのでしょうか?
そのカギはNDIとAudio BUSになります。

PC1 vMixがインストールされているパソコン
スタジオのカメラや音声が入力されている
PC2 Zoomミーティングのパソコン
PC3 Webexのパソコン
PC4 Teamsのパソコン

基本的にはスタジオからの情報発信ですが、質疑応答として各Web会議ツールにて双方向でやりとりをし、その様子を各Web会議ツールでも見られるようにします。

各Web会議ツールの映像は、PC2、PC3、PC4、それぞれからPC1にHDMI入力します。このHDMIには音声ものっています。

vMixでは、スタジオのカメラと各PCのHDMIから入力された映像を合成するような映像を作成します。ABCの各Web会議ツールへ送る映像に関しては、この合成済のOutputで問題ないものとします。
このPC1の映像送信にはNDIを用いましょう。各PCにNDI toolsをインストールしておくことで、vMixで出力されたNDIを各パソコンで受け取り、Web会議ツールでカメラとして設定することができます。Teamsに関しては、NDI toolsを用いなくてもNDIを認識します。

N-1を組む

ですが、音声に関しては単にNDIを選べばいいというわけにはいきません。
●PC2に関しては、PC1+PC3+PC4
●PC3に関しては、PC1+PC2+PC4
●PC4に関しては、PC1+PC2+PC3
そして、PC1ではスタジオへPC1から出る映像や効果音・BGM+PC2+PC3+PC4の音が聞ける必要があります。(スタジオのマイクは必要ない)

このように、それぞれ自分のPC音を除いた音(N-1)を返す必要があります。これをきちんとやらないと、キーンとハウリングが発生してしまいます。

このルーティング処理を、Audio BUSを用いておこないます。
Audio BUSは7つ(A~G)組むことができます。
では役割を決めましょう。
●BUS AをPC2 Zoomミーティングに送る音声。つまりPC1+PC3+PC4
●BUS BをPC3 Webexに送る音声。つまりPC1+PC2+PC4
●BUS CをPC4 Teamsに送る音声。つまりPC1+PC2+PC3
●BUS Dを返しモニター用。つまり(マイクを除いた)PC1+PC2+PC3+PC4
このようにすることとします。

では、SettingからAudio Outputsを選択します。
そして、A、B、C、Dを「Enabled」として、vMixを再起動させます。
そうすると、Audio MixerのOutputsのメーターに、A、B、C、Dが追加されます。そして、各入力に「M」以外に「A」「B」が選択できるようになっています。これがBUSなのですが、設定した「C」「D」が見当たりません。「M」「A」「B」の付近にマウスを持っていき、右クリックをすると「C」「D」が出てくるはずです。「C」「D」に関しては、このように各音声入力のOutputs先を選択していきます。

●PC1から出る、スタジオマイクに関しては、「M」「A」「B」「C」を選びます
●PC1から出る、効果音、BGM、ビデオ音声などは、「M」「A」「B」「C」「D」を選びます
●PC2のHDMIの音は、「M」「B」「C」「D」を選びます
●PC3のHDMIの音は、「M」「A」「C」「D」を選びます
●PC4のHDMIの音は、「M」「A」「B」「D」を選びます
というBUS送りになりますね。

そして、SettingからOutputs/NDIでそれぞれのOutputs/NDIでのAudio Outputsを設定します。ここで、Output 1に関しては、StreamingやRecordingに影響を及ぼすのでそのままにしておきます。
そして、Output 2をPC2用ということでBUS A。
Output 3をPC3用ということでBUS B。
Output 4をPC4用ということでBUS C。
これを、各PCのNDIでそれぞれ用のNDIを受信させてあげ、各Web会議ツールのカメラとして設定することができます。

この様に、NDIとAudio BUSを使う事で、複数のWeb会議システムを縦断するようなシステムの中核としてvMixを運用することができます。

お問い合わせ

    vmix

    勝手に解説マニュアル~vMixの使い方-01-

    同じようなソフトには、Xsplit や OBS Studio などがありますが、特に映像も音声も出力系統の豊富さから、業務で配信を請けるのであれば使いこなしたいvMix。
    ですが、日本語のマニュアルや解説書が少なく、ネット上の情報も限られています。本書でvMixの世界を拓いてください。

    vMixは、Windows専用のライブビデオ制作ソフトウェアです。オーストラリアの StudioCoast Pty Ltd 社が開発しています。vMixは購入バージョンによって、標準解像度(SD)、高解像度(HD)、さらには4Kで制作できます。

    この-01-では、「第一章:vMixとは」、「第二章:インターフェイス」、「第三章:設定」、「第四章:入力」と解説しています。まだまだvMixのさわり部分です。

    次回は、「第五章:オーディオ」、「第六章:ビデオの録画(記録)」、「第七章:外部出力(外部)」、「第八章:ストリーム」「第九章:MultiCorder」、「第十章:プレイリスト」、「第十一章:オーバーレイ」とシリーズとして続けてまいります。

    vMixはとても多くの機能が詰まっており、全体では二十章くらいになってしまうのではないかと思っています。全体が完成してからですと、現状日本語の解説本が無い状況を打破できないので、まだ途中ですがださせていただきました。

    おすすめの記事