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トンボの飛翔 【身近な自然の観察】

 ヤツデの若葉にとまって縄張りを張っているオスのカワトンボ(ニホンカワトンボかアサヒナカワトンボ。見た目では区別がほとんどつかないそうです)が飛び立ち,また戻ってくる様子を600 fpsで高速度撮影しました(通常の撮影スピードは30 fps)。4枚の羽を別々に動かしているのが良く分かります。昆虫の多くは4枚の羽をもっていますが,4枚を別々に動かしてすことができるのはトンボの仲間に限られており,滑空飛行・急上昇・急降下・横滑り・急停止・ホバリング,バック転等非常に優れた飛翔能力をもっています。このオスはメスが産卵するための水辺の朽ち木(産卵基質)のまわりを定期的にパトロールしてもとの位置に戻ってきました。他のオスが近づいてくると追い払い,メスが現れるとホバリングして求愛行動をしてとなかなか忙しそうでした。オスの翅の色は濃い橙から無色まで様々で,無色の翅のオスは縄張りをもたず(メス羽は無色)に紛れてオスの縄張りに入り込み,こっそり交尾する場合もあるようですが,このオスは無色翅型ながらしっかり縄張りを守っていました。

[撮影 中西 史]